北インド旅行記(その9:ガンガーにて沐浴した件について)
平成19年2月2日。早朝6:15分。ロビーでクマールと待ち合わせである。今日は、夜行列車の中で約束したガンガーで沐浴する約束をした日である。
早速ガンガーへ向かう。
ガンガーに着くと、クマールがボートをチャーターしていた。ボートの漕ぎ手は寡黙なオヤジだ。愛想は全くないが、真面目そうで信用できそうな人物であった。プロやな?ちなみにチャーター代50ルピーである。安い・・・
ボートがゆっくりガンガーを進む。
早速賑わっている。
おじん、絵になっているぞ!
そろそろ日の出である。
クミコハウスという、日本の女の人が経営しているゲストハウスだそうだ。ふ~ん。。。
ガートでは洗濯物をする人たち。ちなみに、本当は洗濯禁止らしい。
ド派手なガートだ。ケーダール・ガートという。どんなに水位が上がっても、沐浴できるよう、高くまで階段が続いているのが特徴である。あの上の方まで水位が上がったら、水流で危ないんじゃ?
上の方に、ヒンドゥーの神様が並んでいる。
日の出が終わった。本当に美しい太陽だ。ありがたい光景だ。
そして、約束の刻がやってきた。パンツ一丁になって、ガンガーに入る。気温はなかなか低い。寒いが、我慢して川に入る。ほんのり、ぬるぬる感があるぞ?
やがて、水温になれた。足元に不気味な感覚があるが、どうせ見えないし、考えるのをやめた。
沐浴の作法は、手で水を汲んで、それを太陽を見つめながら掲げ、お祈りを3回行う。ここは、日本流に太陽に向かって、普通に拝んでみた。
クマールに写真を撮ってもらった。水面が怪しく泡立っているが、気のせいだろう。。。
ちなみにこの写真、帰国後に見せると、友人の古着屋のツボにはまった。真剣な私の後ろを野良犬がとぼとぼ歩いてるのが、面白かったらしい。
お祈りをすました私は、クマールの指示に従い、頭までずっぽりと川の中に潜った。上がってきて、口にガンガーの聖なる水が入った。体にいいであろう。。。
クマールに曰く、
「ガンガーの水は神聖なので、絶対に腐らない。」
だそうだ。
(元々腐っとるんじゃ・・・?)と思ったが、口には出さなかった。
その後、平泳ぎなどして普通に遊泳を楽しんだ。目の前を物体が流れていったが、それが死体のはずはない。ちなみに、沐浴では石鹸の使用は禁止だ。自然に余計な負荷をかけてはいけないのだ。注意しよう!
ガネーシャ好きやなあ。。。
マニカルニカー・ガートである。ここは火葬場である。陸地上がった後、ゆっくり見学した。あまりに近付いてみていると、薪代を要求されるので、遠巻きに見た。どんどん燃やされていた。日本では死体というと、恐ろしい感じがするが、この街にいると、そんな感覚は全くなくなる。むしろ神聖でありがたいもののように感じてくるのだ。今までの自分と全く死生観が変わってきていることに気付き、驚く。これぞ、本当のカルチャーショックだ。
ちなみに、12歳未満は焼かずに、そのままガンガーに流すそうだ。私が見ているときも、布にくるまれた子供の遺体が流されていった。
さて、ホテルに帰ろう。。。
行き先を野良牛が先行する。
生ごみを漁る、野良牛。
野良猫が荷台で眠る。
ホテルに着くと、自室でシャワーを浴びた。足の爪が黒くなっており、体中得体の知れない泥臭さが染みていた。
ちなみに、口の中に入ったガンガーの神聖な水のおかげか、夕べの唐辛子による腹痛は治っていた。
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