北インド旅行記(その10:ムールガンダ・クティ寺院)
ヴァラナシのホテルを出て、車でサールナートへ向かう。
途中、クマール行きつけの屋台で朝食をとった。バナナの葉に包まれたカレーである。これが、ばりくそ美味い!これが本場のカレーかと感動した瞬間であった。チャイも飲んだが、チャイが入ったカップが何と、土を固めただけの代物だ。あまりゆっくり飲んでいると、どんどんしゅんでしまう。飲み終わると、道路に叩きつけて、ばらばらにして終了である。クマール曰く、土でできているから、そのまま土に帰るとのこと。一見、エコである。しかし、昔の土の道ならばともかく、現在はアスファルトで舗装された道だ。案の定、風化せず、バラバラになった土くれがそこらじゅうに散らばっていた。人はこれをゴミという。
クマールと運転手が買い物に行っている間、私は車の中で一人でお留守番をしていた。すると、窓を叩く者がいる。
「ハロー、ハローサー・・・」
物乞い少年である。少年といえど、可愛げなど全くなく、独特の無表情で少し怖かった。とにかく無視し続けると、去っていった。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
サールナートは、ヴァラナシの北東10kmに位置する。ブッダ・ガヤーで悟りをひらいたブッダが初めて説法を説いた地として有名である。鹿が多かったところから、鹿野苑と異名がある。仏教徒にはあまりにも有名すぎる聖地である。
サールナートに着くと、クマールがいるのに、何故か現地ガイドがついてきた。結局、この男、クマールまかせで何もしなかった。何のために来たのか、永遠の謎である。
まずはムールガンダ・クティ寺院にやってきた。1931年に建てられた寺院である。
中に入ると、黄金のブッダが鎮座している。今日はインドの子供たちがたくさん見学していた。遠足かなあ?くりくりした目玉で、可愛らしかった。
小さなお堂であるが、壁面には、日本人画家、野生司香雪が描いたブッダの一生が書かれている。上は、そのうちの涅槃図だ。
これは悟りを開く直前である。苦行しすぎのブッダにスジャータがミルクがゆを持ってきたところだろう。
こっちは摩耶夫人の脇からブッダが誕生した場面だ。天上天下唯我独尊でも言っているのだろうか、ふてぶてしいガキかしこそうな赤子だ。
屋外には、説法を説く、ブッダのフィギュアが飾られていた。この安物感、私は好きである。
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