関東文化的探求の旅Ⅲ(その18:国立西洋美術館Ⅰ)
平成24年2月26日。最終日である。本日は再び上野に行き、国立西洋美術館でも堪能しようと考えた。
国立西洋美術館は、フランスから返還寄贈された松方コレクションを収納するため、1959年に設立された。松方コレクションとは、川崎造船初代社長松方幸次郎氏が収集した西洋画コレクションである。松方氏は収集したコレクションで美術館を設立しようと考えていたそうだが、川崎造船の経営破綻伴う収蔵品の散逸や第二次世界大戦の敗戦に伴うフランス政府によ差し押さえによって実現しなかった。
フランス政府に差し押さえられたコレクションはサンフランシスコ条約でフランスの国有財産になったが、その後の交渉で返還されることになったのだ。ただし、フランスにしてみりゃ、国有財産を与えるので、寄贈ということになる。ということで、返還寄贈なんてみょうちくりんな言葉がでてきたのだ。
ということで、国立西洋美術館にやってきた。この建物はル・コルビュジュの設計による。今、フランスを中心に6カ国共同でル・コルビュジュ建築を世界文化遺産に登録しようという動きがある。国立西洋美術館もその中に含まれている。近い将来、世界遺産になるかもしれない。
中に入ると、写真撮影OKなことに気がついた。太っ腹だ。かばんをロッカーに預けると、いざ見学だ。2005年にラ・トゥール展を見て以来、実に7年振りである。
まずは彫刻群がお出迎えである。
彫刻を眺めながら階段を上り、2階から見学していくことになる。
金ぴかのイコンがあった。15世紀の作品でキリスト昇天を描いたものだ。
クラナッハ(父)の作品だ。アダムとイヴとか書いてた印象があるが、独特の絵である。私には合わない。
レアンドロ・パッサーノの「最後の審判」だそうだ。システィーナ礼拝堂のものと比べると、迫力に欠ける。当たり前か・・・
ティントレットだ。ヴェネツィアで見たなあ。。。
これは薄気味悪い。
ヴァン・ダイクだ。
ピーテル・ブリューゲル(子)の作品だ。
こっちはヤン・ブリューゲル(父)の作品だ。
父やら子やらついているが、この二人、兄弟である。父親は私が好きなピーテル・ブリューゲル(父)なのだ。ブリューゲル一族は画家一族であり、親子で同じ名前をつけたりするので、こんなややこしいことになっているのだ。
これらのこゆ~い絵はルーベンスだ。肉肉しいなあ。。。
ドルチの悲しみの聖母だ。ラピスラズリをふんだんに使った贅沢な絵として、非常に有名だ。
目が逝っているが、ダヴィデがゴリアテの首を切ったところらしい。グエルチーノという画家はあまり知らないが、この絵はどっかで見たことあるなあ。。。
テニールス(子)の聖アントニウスの誘惑だ。聖アントニウスの周りを変な生き物が取り巻き、美女が誘惑している構図だ。面白い。
エル・グレコ来ました!凄いとしかいいようがない。日本でエル・グレコを見れるところがどんなけあるだろうか・・・
ラ・トゥールですやん!ラ・トゥールは暗いところに光で照らし出す絵を得意とし、夜の画家とも言われている。この「聖トマス」は背景も明るく、珍しい。一般的なラ・トゥールの絵は夜の絵といわれているが、こういうものは昼の絵といわれるらしい。
マリー=ガブリエル・カペの自画像だ。これが本当ならばかなり別嬪さんだが本当かなあ。。。
まだまだ展示は続く。それにしても、洒落にならんくらい、有名な人たちの絵が普通に展示されている。これは凄い!
次回へ続く。
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