2011年初夢シリーズ(その2:六篠八幡神社)
平成22年1月1日。まだ元日である。叔母の家に来たついでに、近くにある六篠八幡へ詣でることにした。
神戸市北区山田町。ここは、叔母の家があることもあり、子供の頃からよく遊びに来たところでもあり、震災後2年ほど住んだ疎開先でもある。単に思い出深い土地というだけでなく、ここに住むことがなかったら、JINやぎーさん、くっぺちゃん等のさんぽ会メンバーとも出会わなかったところで、わが人生の中で非常に重要な土地なのである。
年寄りの昔話は置いておいて、、、
初詣にはおとんとおかんの家族で参った。
参拝客がずいぶん並んでいる。こんなに人多かったっけ?
六篠八幡神社の周辺は、とっても田舎で過疎地域なのだが、近場に新興住宅地ができているので、参拝客は多いのだろう。
六篠八幡神社は旧山田村13箇村の総鎮守である。社伝によると、平安時代中期に創建らしいが、どうも鎌倉時代くらいに創建というのが妥当らしい。確かに歴史はあるが、これだけでは単なる村の神社である。この神社、何が普通じゃないかというと、本殿の右奥に見えるのだが、神社なのに三重塔があるのだ。要するに、明治時代の廃仏毀釈を経験しつつも、三重塔を死守した、珍しい神社なのである。
三重塔は置いておいて、参拝、参拝。。。
?
なんか違和感が・・・
参拝を終え、少し周囲を散策する。一番奥が本殿、手前が拝殿、その手前が・・・?
なんとさっき参拝したのは、拝殿ではなかったようだ。神楽殿のようである。普通は、神楽殿がもっと手前にあって、参拝は拝殿にすると思うのだが、不思議な造りをしている。
しかも拝殿と本殿の周囲には、回廊が巻いている。この回廊と神楽殿、おとんが子供の頃はちゃんばらの舞台だったそうだ。子供は怖い。文化財なんて、お構いなしだ。
こちらにあるのは、薬師堂である。神宮寺の名残がここにもあった。おとんの話では物置だそうだ。
いよいよ三重塔である。
この三重塔、室町時代のものである。屋根が反り返って、かなり格好がいい。国の重要文化財である。
実は、六篠八幡神社、ちょっと怖い話がある。かつて、境内に生えていた松だったと思うが、木を切り、薪にしたそうな。それを村人で分けて使ったところ、村人の大多数が原因不明の病気になったそうだ。それで、八幡さんの祟りだということになったらしい。もっともおとんの家族には、被害なしだったそうだ。おとん曰く、「あまりに貧乏で八幡さんも勘弁してくらたんちゃうか?」
その他にも人魂の目撃談もある。おとんが子供の頃、この神社は神主が不在になった。村人の話では八幡さんの祟りにびびって逃げたというのだが・・・
一番聞いて恐ろしかったのが、
三重塔の扉が風もないのに勝手に開くということだ。おとんが友達と遊んでいると、ギギーと定期的に開いていたそうな。あまりにも頻繁に開くので、特に怖いとかはなかったそうだが、よっぽどインパクトがあったのか、おとんの兄弟が一同にそろうとき、この話が必ずといっていいほど出てくる。みな同じ証言をしているのだ。この扉、閉まっているときに開けようとしても、びくともしないらしい。
ちなみに扉が開いているときに、おとんは中に入ったことがあるそうだ。中には仏像が並んでいるんだそうだ。
ちょっと怖い話も、最近はまったく怪談を聞かない。八幡さんのお怒りも鎮まったのだろうか。
こんな話をしてしまったが、歴史的に素晴らしい神社である。とくに造りは面白い。
参拝を済ました後、叔母の家に行き、私のお土産の豊前海一粒かきを皆で食い、元日が終わった。
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