京都迷宮入りⅠ(その2:萬福寺)
宇治から黄檗にやってきた。ここには、黄檗宗の大本山である萬福寺がある。
黄檗宗とは聞き覚えがないかもしれないが、江戸時代に中国から来た隠元禅師が開いた宗派である。隠元隆琦と言えば、インゲン豆を持ち込んだとされ、その名の由来となっている有名人である。
萬福寺は隠元隆琦が開いた寺で、日本にありながら中国チックなお寺である。
総門である。このあたりから普通のお寺と様子が違う。
三門である。かなりのでかさである。正直ここまで凄いお寺とは思っていなかったので、JINと二人でたまげた。
なかなかの達筆である。
天王殿である。中国では一般 的な建て方で、四天王と弥勒菩薩と韋駄天を同様に祀るそうだ。
布袋様である。しかしながら、布袋は弥勒菩薩の化身だそうだ。化身とはいえ、弥勒菩薩のイメージではない。弥勒菩薩は、もっとシュッとしていそうだ。
それにしても愛嬌のある顔である。
文字通りの木魚があった。雲版(うんぱん)というらしい。朝昼の食事と朝課のときに打つということだ。結構でかい。
本堂である大雄宝殿には、十八羅漢がある。普通は十六羅漢なのだが、ここは特別である。
羅漢は、正式には阿羅漢という。特に高位の修行僧のことを言うが、仏教の段階や宗派等の見解により違いはあるものの、尊敬すべき僧である。
十六羅漢とは、
- 賓度羅跋囉惰闍(びんどらばらだーじゃ )
- 迦諾迦伐蹉(かなかばっさ)
- 迦諾迦跋釐堕闍(かなかばりだじゃ )
- 蘇頻陀(すびんだ )
- 諾距羅(なこら )
- 跋陀羅(ばだら )
- 迦哩迦(かりか )
- 伐闍羅弗多羅(ばじゃらぶたら )
- 戎博迦(じゅばか )
- 半託迦(はんたか )
- 羅睺羅(らごら)
- 那伽犀那(ながせな )
- 因掲陀(いんがだ )
- 伐那婆斯(ばなばす )
- 阿氏多(あじた )
- 注荼半諾迦(ちゅだはんたか )
である。
十八羅漢は賓度羅跋囉惰闍の別名である賓頭盧(びんずる)を別人とし、十六羅漢思想の創始者である慶友を数えるらしい。
これは、これは、羅漢界のスーパースターの羅睺羅尊者ではないか!
羅睺羅尊者は、釈迦の実子である。
「お前には仏種(仏になるための種?)があるのか?」との問い、
「ここにいるよん!」
と、胸元を開いたら、ちっこい仏様がいたというエピソードがある。
この像でもそうであるが、羅睺羅尊者像はだいたい腹かっさばいたら、仏様がいまっせという場面が再現されているのだ。
私は阿羅漢の中でも、このメルヘンな羅睺羅尊者像が一番好きである。
予想以上の萬福寺に満腹になり(ちょっと駄洒落)、京都市内へ向かった。
« 京都迷宮入りⅠ(その1:平等院、宇治上神社) | トップページ | 京都迷宮入りⅠ(その3:八坂神社、知恩院) »
「京都府」カテゴリの記事
- 京都迷宮入りⅩ(その6:寂光院)(2012.03.26)
- 京都迷宮入りⅩ(その5:宝泉院)(2012.03.25)
- 京都迷宮入りⅩ(その4:勝林院)(2012.03.23)
- 京都迷宮入りⅩ(その3:三千院)(2012.03.22)
- 京都迷宮入りⅩ(その2:本能寺)(2012.03.19)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント